カスタムナイフメーカー

原 龍一 - Dew Hara –

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略歴

2015年 マイクロテック、トニー社長の元に弟子入り
2016年 フルタイムのカスタムナイフメーカーとなる
2018年 雷切がCRKTのデザインに採用、SHOT SHOWで受賞

カスタムナイフメーカーになったきっかけ

父親がナイフを作る姿を見て育ったので、ナイフを作りたいという気持ちは幼い頃からあったそうです。27歳で結婚した龍一氏、奥様には常にいつかはナイフをやりたいと言っていたとのこと。

アメリカの大学を卒業した後、独学でWEBの勉強しカメラマンのスタジオで3年働き、その後独立してWEBの仕事を始めた龍一氏。当初月に1件仕事をすれば食べていけたWEBの仕事も最後の頃には月に5件こなさないと食べていけないようになったために、かねてより思っていたカスタムナイフメーカーへの道を考えるように。

その後パートタイムでWEBの会社に勤め、幸治氏の手伝いをするかたちでナイフ制作を始める。

その頃マイクロテックの社長、トニー氏が関のナイフショー(刃物まつり)に来るということで英語の分かる龍一氏がやり取りをしていたところ、トニー社長よりアメリカに来ないか?との打診があったとの事。

トニー社長の人となりを全く知らないのでどうしようか色々悩んだそうですが、当時、幸治氏が怪我をしてナイフ制作がしばらく出来なくなってしまったために、日本にいてもナイフの事は何も出来ない状況となりアメリカへの渡航を決意したそう。

当初3年の弟子入りの予定でしたが就業ビザがとれず約9ヶ月のマイクロテックでの修行の後日本に戻り2016年にフルタイムのカスタムナイフメーカーとして活動を開始しました。

最初はラブレス?

カスタムナイフというと皆さんラブレスのコピーから始めるのですが、龍一氏は固定刃のナイフよりも製作の難しい折り畳みナイフから始めたそうです。

マイクロテックに弟子入りした経験と世界のマーケットでは折り畳みナイフしか売れないという情報もあって最初から折り畳みナイフ、しかもマイクロテックに倣ったミッドテック方式で製作を始めたためにラブレスタイプのナイフはこれまで数本しか造ったことが無いとの事。

マイクロテックのナイフについて

マイクロテックのナイフはミッドデックと呼ばれますが、その意味も分からずにアメリカに行った龍一氏。

すべて機械ででき、あとは組み立てるだけかと思ったナイフ製作が、実は手作業の部分が結構多いと感じたとのこと。最後は手研ぎをしている。
高精度の機械を使い最後には手仕事で仕上げる。これがミッドテック(セミカスタム)のナイフという事です。

ピボットは精度が要求され手作業で穴あけ

マイクロテックでの経験は龍一氏にとって非常に貴重で有意義なものだったようで、曰く「どうやってナイフを作るかがすべて見ることができたので非常に勉強になった」とのこと。

また、ミッドテックというジャンルを造りファクトリーナイフの価値を上げた、ナイフ業界で知らない人のいないトニー社長の元に弟子入りできたことは非常に幸運だったようです。

トニー社長は、加工方法から材料、最先端の機械までありとあらゆることを知っており、デザイナーというよりエンジニアだと感じたとの事。
龍一氏曰く「メカオタク」「変人!」とのこと。

アメリカ人は働かないイメージがありますが、5人程でやっているマイクロテックのカスタム部門に関しては働き詰めに働いているとの事。ファクトリー部門は時間どおりに帰ってしまいますがカスタム部門は朝8時から夜10時まで働いていたそう。特にショーの前は午前様も普通で龍一氏もクタクタになっていたとの事。

ナイフのデザインについて

幸治氏とはまったく毛色の違うデザインをする龍一氏ですが、コピーだと言われるのが嫌で、幸治氏のナイフに似てきたと思うとあえて逆方向に進むように心がけているようです。

ナイフショーでは「デザインが未来すぎる」「映画とかSFで出てきそうだ」とよく言われるそうで、少しおとなし目にアレンジしようと思うがなかなかうまく行かないとの事。

また日本人なので日本っぽいデザインにして欲しいとの要望もよくあるよう。

言うほど簡単ではなく、日本の伝統模様、青海波七宝模様を取り入れたり、肥後の守の青銅仕上げをしている職人と知り合った関係で、彫金のできる人とも知り合い、龍の彫金などを施したりして日本っぽさのあるナイフをなんとか造り出しているとの事

七宝模様を取り入れたナイフ

そういったものは絵柄が日本っぽければそれで日本のイメージが入るので言ってみれば簡単。でも根本的な部分では未来的なデザインが好きな龍一氏には日本的なデザインは難しいようです。

そんな中で、日本人である龍一氏が思う良いデザインとアメリカ人が良いと思うデザインが違うという事実が徐々に分かってきたという話をお伺いしました。

「えっ?こんなデザインがいいの?というのが売れる。」
「ゴン!ゴン!ボーン!みたいな(笑)」
「最近あえてださいデザインをしている。」

とは龍一氏の弁です。

新しいデザインはポンポン出てこない

デザインに息詰まる時はよくある。
できるときはひらめいてパットできるとのこと。

今度CRKTに採用予定のロケットのようなナイフは他のナイフを造っている時に思いついて比較的短い時間でできたそう。

マイクロテックでもデザインはそれほど多くなく、少ないデザインのナイフのブレード形状を変えたりハンドル材を変えたりしてバリエーションを出す方法をとっている。
龍一氏もそれにならってバリエーションを増やしつつ新しいデザインを生み出すために苦労しているようです。

龍一氏曰く「デザインはオリジナルということは無いと思っている。デザインは何かと何かをあわせてできる。」とのこと。

もともと欧米の彫刻や建築を見るのが好きで、ノア(NOAH)は国立競技場のデザイン案からインスピレーションを得てデザイン、今までで一番気に入っている
そんなノアはブレードの形状を変えたりハンドル材を変えたりして残していきたいモデルだそうです。

一番気に入っているノア(NOAH)

CRKTに雷切のデザインが採用

CRKTに雷切のデザインが採用。Best of Shot Showを受賞。

2018年のCRKTの新商品に龍一氏の雷切のデザインが採用されました。

オリジナルとは異なりCRKTの簡単にナイフを分解できる機構、Field Strip Technologyを採用してのファクトリー化でしたが、SHOT SHOW で“2018 Most Innovative Knife”を受賞。

幸治氏が怪我をしたときに代わりにナイフショーに出かけファクトリーメーカーとのつてが出来たとのこと。やはり英語ができるというこは大きなアドバンテージとなっているようです。

オリジナルの雷切

目標はCRKTのデザイナーをしている売れっ子ケン・オニオン

月に約10本、年間約120本ほどナイフを作っているが、作れる本数は限りがあるので、ファクトリーメーカーにデザインを提供しブランド価値を上げるとともに、彫金などのスペシャルモデルを制作したり、ナイフの精度をより良くなるように精進していきたいとのこと。

年を経るごとに自分のファンだと言ってくれる人も増えているのでそれを励みに頑張っていきたいとの事でした。

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