ナイフのハンドル材って色々ありますね。
見た目で選ぶのももちろんアリですが
基本的な特徴は知っておきたいですよね?!
ハンドル材には大きくは天然材と人工材があります。
一般的には人工材のいほうが水に強く耐久性に優れるため
水に濡れたりハードな使用を想定しているのであれば人工材がお薦めです。
天然材は人工材に耐久性などで劣るものの
材料によって異なる素材感
一本一本異なる模様や造形が魅力です。
天然材はその含有する水分量が変わると(乾燥すると)
割れたり変形したりすることがあり注意が必要です。
天然材
ウッド(木材)
ウッドは模様が魅力のハンドル材。適度な吸湿で手のフィット感が抜群です。ナイフに使用されるウッドは硬いものが多いですが、湿度の変化や水濡れによって反ったりヒビが入る事があるのが難点です。主なウッド材にはウォールナット、オリーブ、ココボロ、ボコーテ、ブビンガ、バーチ、スネークウッド、エボニー(黒檀)、アイアンウッド、樫木(和式刃物)などがあり、それぞれに色味や模様の魅力があります。
スタッグ
鹿の角(ツノ)をハンドル材としたもの。天然の模様は同じものが無く、美しさと耐久性、軽さを兼ね備え、その凹凸が滑り止めとなっています。
高級ハンドル材としてサンバースタッグが有名ですが、サンバー鹿が絶滅危惧種となったことで入手が困難に。現在スタッグ材をよく使うムエラなどのメーカーはヨーロッパのスタッグを使用していると思われます。日本のカスタムナイフメーカーは北海道の鹿(蝦夷鹿)の角を使う方もいます。
主に牛などの骨をハンドル材としたもの。スタッグの様な模様を彫ったジグドボーンなどがあります。染色して色味をつけることも。
ホーン(ツノ)
バッファロー(水牛)やシープ(羊)の角などをハンドル材としたもの。バッファローは艶のある光沢が魅力。複数の色が入り混じった部分は特にハニーホーンと呼ばれる希少な材です。
パール(真珠)
真珠を作る種類の貝殻をハンドル材としたもの。パールの模様が織りなす不規則な反射が魅力。ホワイトパール、ブラックパール、アバロンなどがある。衝撃や湿度変化に弱いのが難点。近年希少となっており、ファクトリー製品からパールのモデルが少なくなりました。
レザーワッシャー
牛革をワッシャー状にしたものを積み重ねたハンドル。手に馴染んで良いハンドリングですが水に濡れると滑り耐久性が落ちるのが難点。ケーバーのUSMCやランドールが同ハンドルで有名なナイフ。
その他
アイボリー(象牙)、マンモスアイボリー(マンモスの牙)、マンモストゥース(マンモスの歯)など。アイボリーは現在取扱いをしておりません。
人工材
樹脂
プラスチック系とゴム系の樹脂ハンドルがあり、リーズナブルな商品が多いのが魅力。プラスチック系ではガラス繊維などを混ぜる事で強化されることが多く、強度や耐久性を向上させています。ゴム系では特有の滑らないハンドリングが良点。近年キリナイトと呼ばれるマーブル模様の樹脂など特殊で見た目に優れたものも開発されています。熱に弱いのが難点。
G10
ガラス繊維を積層し固めた材料です。水に強く耐久性にも非常に優れます。樹脂と異なり熱に強いのも良点。
水に濡れた場合にも滑らずに使用ができ、表面の仕上げによって極めて滑りにくくすることが可能。手袋での使用にも向いています。
マイカルタ
紙や布を積層させて樹脂で固めた素材。ペーパーマイカルタ、リネンマイカルタ、キャンバスマイカルタなどがあります。基本的には水に強く耐久性に優れますが、繊細なペーパーマイカルタは、やや耐久性に劣ります。キャンバスマイカルタはその仕上げによって表情がまったく異なり、バークリバーのようなつるつるの仕上げ、オンタリオのような荒目の仕上げがあります。荒目に仕上げる場合には水に濡れた場合にも滑りにくいハンドリングを実現します。G10よりも優しい肌触り。
ウッドマイカルタ
木を積層させて樹脂で固めた素材。木の雰囲気を持ちながら強度や耐久性がアップしたのが魅力です。
カーボン
軽く強度に優れ耐久性もある、見た目に特徴のある高級材です。樹脂と異なり熱に強いのも良点。近年ではマーブルカーボンや色味を含んだカーボン、銀色のカーボンなど様々な種類のカーボンが登場しました。カーボンハンドルのナイフばかりを集めるコレクターも。
金属系
ステンレスをはじめとして様々な金属系のハンドルがあります。総じて頑丈で耐久性が高い素材で薬品にも強いのが良点です。アルミとチタンは軽いのが特徴。一方どっしりとしたナイフが好みというユーザーもおり、ステンレスハンドルのナイフも人気です。チタンは加工の難しい高級材でZTやクリスリーブ、スパルタン、ロックステッドなどハイスペックナイフによく使用され、使うごとに味わいを増します。金属製のハンドルは素手で触ったときに冷たいのが難点。最近ではブラス(真鍮)、カッパー(銅)などのハンドルも登場し人気です。
パッカーウッド
いわゆる合板。天然木よりも強度は上であるがウッドマイカルタやスタビライズドウッドと比べると劣る。木の雰囲気を持つリーズナブルな素材で天然木のようにばらつきの無いのが良点。
スタビライズドウッド
本物の木に樹脂を含浸させた素材。木の雰囲気をそのままに強度や耐久性が大幅に向上。樹脂の部分の割合によって木と樹脂の複合された面白いハンドルとなります。
パラコード巻き
ブレードとハンドルが一体の鋼材そのものがナイフといった形状(スケルトンナイフ)の場合、ハンドルにパラコード(パラシュートコード)を巻き付けて使用することにより適度なクッションとなる他、緊急時に紐として使用できるハンドルとなります。
見た目、使用用途、使用頻度によって自分にあったハンドル材を選びましょう!